カレーショップ アルプス(東京駅地下の300円激安チキンカレー) - 高田馬場B級グルメ

カレーショップ アルプスは1969年に大山健氏が創業した。東京駅地下の八重洲地下街は、1965年6月に地下街が開業、1969年2月に東京駅前広場地下が整備され、その完成に至ったので、アルプスは八重洲地下街と同じ歴史を歩んできたことになる。

アルプス チキンカレー

アルプスは激安カレー店であるがゆえに、そのカレーの正体を巡っては様々な噂がある。業務用カレールーに少し手を加えただけのカレーだとか、業務用カレーがそのまま提供されているといった噂だ。アルプスのカレーの価格を考えれば、ごく当たり前に信用できてしまう噂である。

ぼちぼち歩くによれば、アルプスのカレーは小麦粉と3種類のスパイスを焙煎し、鶏がらスープで煮込んでいるらしい。マジか。しかしスパイスの種類が分からない。仮に4種類ならば分かる。クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーだ。3種類だから分からない。色を考慮するとターメリックは含まれている。カレー色のカレーだ。辛さを考慮するとカイエンペッパーも含まれている。辛味はほぼ感じられないものの、辛味が全くないというわけではない。クミンとコリアンダーも当然のように含まれているはずだ。結論は以下となる。当時のアルプスのカレーとは、小麦粉とクミン、コリアンダー、ターメリックを焙煎し、鶏がらスープで煮込んだカレーだったが、いつの頃からかカイエンペッパーを少量追加するように変化してきており、現在のアルプスのカレーとは、小麦粉とクミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーを焙煎し、鶏がらスープで煮込んだカレーとなっている。小麦粉による若干のとろみ、クミンとコリアンダーの香り、ターメリックの色付け、カイエンペッパーによる少しだけ追加された辛さ、そしてそれらを支える鶏がらスープの旨味が合わさったカレーこそが、きっと現在のアルプスのカレーなのだ。しかし極めてシンプルである。極限までレシピを単純化している。

アルプスでは毎日15時から19時までタイムサービスで3種類のカレーが300円で販売される。チキンカレー、コロッケカレー、チーズカレーの3種類のカレーだ。タイムサービスではライスの量がやや控え目になるようだが、それはそれとしてアルプスのタイムサービスカレーが東京駅周辺で最安価格であるのは間違いないだろう。レシピを極限まで単純化することがこの販売価格を維持できている要因の一つであるに違いない。なお、アルプスの左隣には立ち食いそば屋の梅もとが並ぶが、このアルプスと梅もとの二軒だけが東京駅地下の八重洲地下街で異彩を放つ存在となっている。

アルプスのタイムサービスでは信じがたい激安価格でカレーを提供していただけるのだが、仮にタイムサービスの時間帯を外れたとしても、月曜日と木曜日はサービスデーとなる。アルプスの月曜日はBIGマンデーだ。BIGチキンカツカレー、BIGハンバーグカレー、BIGカツカレーの3種類のBIGカレーが通常590円のところ500円で販売される。90円引きである。ちなみに、公式Twitterによれば、BIGマンデーの発音はビッグマンデーではなくビックマンデーが正しい。そして、BIGシリーズ3種の発音はビックシリーズ3種が正しい。「グ」ではなく「ク」である。非常に間違えやすいポイントなので注意していただきたい。また、アルプスの木曜日は大盛り無料サービスデーとなる。通常大盛り+110円が無料サービスとなる。木曜日にタイムサービスカレーを大盛りで注文しても300円になるのだろうか。機会があったら挑戦してみたい。

アルプスのサービスはまだ終わらない。期間限定価格で販売されているメニューがあるかもしれない。公式Twitterを確認していただきたい。クーポンも探していただきたい。例えば、現時点ならばYaechika.comがサラダ無料サービスのクーポンが配布されていた。ランチタイムとタイムサービスの時間帯は利用できないが、それ以外の時間帯ではスマートフォンでクーポンを提示するだけでサラダがサービスされる。

アルプスのメニュー

品名価格
カレーセット620円
BIGチキンカツカレー590円
月曜日500円
BIGハンバーグカレー
BIGカツカレー
チーズカレー500円
野菜カレー
メンチカツカレー
白身魚フライカレー
カツカレー480円
唐揚げカレー
麻婆豆腐カレー
ポークカレー420円
タイムサービスカレー300円
区分品名価格
ごはん大盛り+110円
木曜日無料
特盛り+200円
サラダグリーンサラダ+120円
トッピングハンバーグ+150円
チーズ
野菜
メンチカツ
カツ+130円
唐揚げ
目玉焼き+80円
ほうれん草
白身魚1枚
コーン
刻みおくら

カレーセットは、トッピング1品を選べるカレー(目玉焼き付)、サラダ、スープのセットだ。トッピングはカツや唐揚げ等から選べるらしい。

アルプスのタイムサービスのチキンカレー

2019年10月にアルプスでタイムサービスのチキンカレーを食べた。

消費税増税の直後である。アルプスも値上げしていた。従来までタイムサービスのチキンカレーは290円だったが、今後は300円となるので、+10円の値上げだ。当然の値上げといってもいい。全く問題ない。

アルプスは食券制でセルフサービスの店だ。店外の券売機で食券を購入してから店内に入店し、トレイにスプーンを乗せ、厨房に食券を差し出す。「チキンで」と指定する。タイムサービスはチキン、コロッケ、チーズと3種あるので、いずれかを注文する必要がある。カレーが提供されるまでに、右手に積まれたコップの一つをトレイに置く。まもなくしてチキンカレーが提供される。

アルプスは純然たるスタンドカレー店ではない。カウンター20席の店だ。適当に席を選んで腰掛ける。卓上には水、ソース、福神漬けがある。福神漬けは取り放題である。ありがたい。着色料を使って発色を鮮やかにした赤い福神漬けではない。茶色の福神漬けだ。昔ながらの赤い福神漬けも悪くないが、茶色の福神漬けは何となく安心感がある。

水をコップに注ぎ、福神漬けを少量取る。そして、カレーソースを軽く混ぜて、チキンの量を確認してみる。チキンがゴロゴロと沈んでいるなんてことはなかった。見た目通りだ。しかし不満はない。安さは正義だ。カレーを食べ始める。

悪くない。美味い。甘口でも辛口でもないが、中辛というには辛味が足りない。仮に卓上にチリパウダーがあったとしたら、間違いなく追加投入したくなる。粘度はあるものの、サラッとしている。独特なスパイスは感じられない。これでいいのだ。普通に美味い。ライスの炊き加減は固くも柔らかくもなくちょうどいい。やっぱり普通に美味い。チキンはコスト的に鶏むね肉を使っているはずだと思うのだが、鶏もも肉のようにとても柔らかい。鶏皮の箇所が噛み切れずに難儀しつつも、カレーソースと一緒に頬張るとジューシーで美味い。

カレーソース多め、ライス少なめで贅沢に食べ進める。ライスが余り気味になる。予定通りだ。福神漬けを追加投入して、残ったカレーとライスと一緒に混ぜる。福神漬けの塩加減がカレーの味を引き締める。美味い。満足である。大満足である。素晴らしい店だった。アルプスは東京駅地下で最もコスパに優れた店である。激安なのに美味い。アルプスへの再訪を誓う。今後も末永くお世話になってしまうことにしよう。

なお、モーニングタイムだったら、東京チカラめしチカラめしカレーが味噌汁つきで300円だ。アルプスとあわせておすすめしたい。

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作者:馬場飯