食事処 静 (古き良き早稲田の煮魚定食がある猫の定食屋) - 高田馬場B級グルメ
食事処静は2011年9月惜しくも閉店したようだ。淋しい。
大隈通り商店街では2012年3月6日にはアリカも既に閉店となっていたようだ。歴史の長い店の閉店が続く。
鈴木隆祐『東京B級グルメ放浪記』でも食事処静は採り上げられていた。初版は閉店から2ヶ月後の2011年11月20日である。無情だ。
最後に、悲しいご連絡をいたします。かくさふらひけり : 大隈通り商店街「静」(承前)からです。
大隈通り商店街を歩いていたら、町内の掲示板に訃報の張り紙がある。
「静」のご主人だった。ご本名の傍らに「「静」さん」と書いてある。先週亡くなられたこと、お通夜・ご葬儀の日取りと場所が示されている。81歳だったそうだ。
キッチンぶんのおかあさんにうかがってみると、とても急なことだったらしい。残念なことになりましたね、と悼む。
ご冥福をお祈りします。
食事処 静の紹介
食事処静は1971年に四谷2丁目の文化放送の傍から大隈通り商店街に移転した定食屋である。店主は関根正夫・ユキ子夫妻だ。既に高齢のご夫妻であるが、お元気だ。
店舗の外観は格子戸と縄暖簾で小料理屋にも見えるが、実際には学生向けの定食屋である。知っているからこそ気軽に入れるが、知らなければ入りづらい。立て看板や貼り紙は静に似つかわしくない。しかし、立て看板や貼り紙があれば、静はもっと賑わう店になるはずだ。口コミでしか静の素晴らしさが伝わっていかないのが歯がゆい。
店内にはカウンターと座敷がある。そして猫がいる。いないときにはいないが、いるときにはいる。
メニューには生姜焼きや揚げ物もあるが、焼魚、煮魚、刺身などの定食があって、魚が喰える。これはとてもありがたい。そして関根正夫・ユキ子夫妻は実直だ。毎日バイクに乗って近所の市場へ買いに行っていたらしい。
味噌汁は昆布と鰹節以外に椎茸と柚子でダシを取っている*
という話もあるが、実際のところ味噌汁のだしは煮干*
らしい。誰もが静の味噌汁を美味いと言う。そしてこの美味い味噌汁の出汁は何なのだろうと疑問に思うようだ。
静は早稲田大学卒業生たちにとって懐かしい店のようだ。実際に立ち寄って食事をする卒業生も多いのだろう。しかし、ウェブ上の情報があまりに少なすぎる。ノスタルジーに浸って満足する前に、その感動をウェブに残すことで、後輩たちの道標とすればとても素晴らしいのにと思わざるをえない。
店舗
営業時間
20:00まで。
住所
新宿区西早稲田1-8-17
食事処 静への訪問履歴
2009年07月24日煮魚定食
静で煮魚定食を食べた。500円だ。煮魚、ご飯、味噌汁の定食だ。副菜はない。500円の煮魚定食だ。安い。
作者:馬場飯