香港料理 華翠苑(ライス・スープお代わり自由の500円ランチ) - 高田馬場B級グルメ

香港料理 華翠苑の紹介

店舗外観

創業は1999年2月。東龍商事株式会社による経営で、店長は林我泰*氏だ。

店舗は早稲田通り沿い南側にあり、馬場口交差点から早稲田方向へ東に向かって徒歩数分だ。向かって右隣の店がタイ国ラーメン ティーヌンになる。

間口は広くないが、店内は奥行きがある。1Fだけではなく2Fにも客席があり、3Fには宴会場もあるらしいのだが、まだ通されたことはない。ウェブ上では美しい内装の写真が掲載されていることが多くて、モダン・オリエントな内装も気になった*といった感想を抱く方もいるようだ。しかし、少なくとも1Fの内装は街の中華料理屋といった雰囲気だった。ウェブ上の情報から判断して、入店するには腰が引ける高級香港料理店だと勘違いする方がいるかもしれないが、臆することはない。店内1Fの雰囲気だけではなく、店頭の雰囲気も街の中華料理屋そのものだ。

店頭にはびっしりと貼紙があり、立て看板もチープだ。隙間を埋めるかのように様々な情報が詰め込まれている。とても便利だ。慣れないうちは店頭で何を注文するかを決めてしまってから入店できる。

店内に入ると人数を尋ねられる。少人数ならば1Fのテーブル席に案内される。カウンター席はない。混んでいるときは相席も覚悟しておいたほうがいい。また喫煙も可能だ。食前食後に一服できる。店員は多分全員中国人だ。しかし店内での会話に不自由な思いをしたことはない。

ランチメニューは500円で6種類から選べる。680円以上のメニューも含めればランチメニューは12種類になる。メインの品にライス、小皿、スープ、デザートがついて、食後にはコーヒーかウーロン茶がサービスされる。ライスとスープはお代わり自由である。素晴らしい。しかし、どうしても惜しまれるのは、どこかチープな味なのだ。量は問題ない。味も悪くはない。悪くはないのだが、どこか安っぽい味なのだ。そこが引っかかる。それでも、安さにつられて、また通ってしまうのだが。

華翠苑は、想像だけれども、きっと当初は高級香港料理店を目指していたのだと思う。しかし早稲田という街に飲み込まれて、そのなかで経営を継続させるために500円のワンコインランチを提供することも厭わない大衆中華料理店へと変貌してきたのではないだろうか。いずれにせよ、ご縁のない店になることがなくて良かった。華翠苑は高田馬場・早稲田周辺で最もお得なワンコイン中華ランチの店である。

2011年11月13日揚げ鶏黒酢かけ

揚げ鶏黒酢かけ

2011年11月13日に華翠苑で揚げ鶏黒酢かけを食べた。500円のワンコインランチだ。6種類のメニューから選べる。680円以上のメニューも含めればランチメニューは12種類になる。

揚げ鶏黒酢かけ定食は、揚げ鶏黒酢かけ、ライス、キャベツ、スープ、杏仁豆腐のセットだった。ライスとスープはお代わり自由だ。両方とも一回お代わりをした。これらに加えて、ランチタイムは、食後に温かいコーヒーかウーロン茶のサービスもされるようになっていた。

揚げ鶏の黒酢かけは、揚げ鶏と、大ぶりに切られたタマネギ、ピーマンに、トロミをつけた黒酢をかけたものだった。黒酢あんは甘味も酸味も控えめで黒酢の香りが強調されていた。悪くない。揚げ鶏はコロモがやや硬かったが中身はジューシーだ。タマネギとピーマンがありがたい。香りや食感のアクセントになる。ただ見た目以上に量が多かった。最後はやや食べ飽きた。あと白髪ネギなど、香りの強い野菜が一品か二品か追加されていれば、もっと美味くなりそうだった。

ライスの炊き加減は申し分なく、丁度いい。お代わりするのが嬉しくなるご飯だ。キャベツは小皿で提供された。少量のドレッシングがかけられていたが、このドレッシングも黒酢ベースだったかと思う。いつものザーサイではなく、キャベツだったのは、口がさっぱりとするので、揚げ鶏黒酢かけには合ったが、黒酢づくしはよろしくない。

スープは、薄いコーンスープに、トロミをつけたものだった。驚いた。中華料理屋でこんなスープを出されたのは初めてだったからだ。別に美味いスープではなかったが、たまにはこんなスープも面白い。杏仁豆腐は市販のものを流用したような味だった。

ライスは二杯で、それでも揚げ鶏の黒酢あんは少し余った。ご飯とおかずの比率を変えて食べれば、ライス三杯でもいけそうだ。ただライス二杯で完璧に満腹になった。苦しい。次の食事は軽めか、いっそ食べなくても問題なさそうだ。

そして食後だ。温かいコーヒーをもらった。ミルクも砂糖も添えられないホットコーヒーだ。薄くてやや甘い。華翠苑では初体験のサービスだ。味も香りもどうでもいいコーヒーだが、食後に一服していってくださいという店の姿勢が示されたと考えればありがたい。

華翠苑はランチの総合的な満足感でとうとう東北餃子房を超えたかもしれない。

2011年11月27日黒酢の酢豚

黒酢の酢豚

2011年11月27日に華翠苑で黒酢の酢豚を食べた。500円のワンコインランチだ。6種類のメニューから選べる。680円以上のメニューも含めればランチメニューは12種類になる。

黒酢の酢豚定食は、黒酢の酢豚、ライス、ザーサイ、スープ、杏仁豆腐のセットで、食後にはコーヒーかウーロン茶がサービスされる。ライスとスープはお代わり自由だ。

黒酢の酢豚は、揚げ豚と、大ぶりに切られたタマネギ、ピーマンに、トロミをつけた黒酢をかけたものだった。黒酢あんは甘味も酸味も控えめで黒酢の香りが強調されていた。悪くない。酢豚はコロモがサクサクとして中身もジューシーだった。香りや食感のアクセントになるタマネギとピーマンがありがたかった。あとは白髪ネギなど、香りの強い野菜が一品か二品か追加されていれば、さらに美味くなりそうだ。

ライスの炊き加減は申し分なく、丁度いい。お代わりするのが嬉しくなるご飯だ。お代わりをして二杯食べた。これが胃の容量の限界らしい。本日の小皿はキャベツではなくザーサイだったが、やはりザーサイのほうが落ち着く。スープはトロミの強い玉子スープで、杏仁豆腐は市販のものを流用したような味だ。どちらも大したことはないが、ないよりは、やっぱりあったほうが嬉しい。

華翠苑はランチの総合的な満足感でとうとう東北餃子房を超えたかもしれない。

2019年の黒酢の酢豚と八宝菜

華翠苑は2019年になってもワンコイン中華ランチを継続している奇跡の店である。もちろん以前とは違う。ワンコインは丼ものに限定され、以前から提供されていた中華定食は600円からとなっている。ところで衝撃的なことに気づいてしまった。2011年の自分は華翠苑のワンコインランチが素晴らしいと絶賛しているが、本当に華翠苑のワンコインランチは素晴らしかったのだろうか。

当時の自分は揚げ鶏黒酢かけと黒酢の酢豚を食べていた。8年後の自分はそうした事実を忘れたまま、華翠苑のランチで黒酢の酢豚を注文していた。自分は華翠苑で揚げ物の黒酢あんかけ以外を注文したことがあったのだろうか。華翠苑といえばランチで黒酢あんかけ、黒酢あんかけが食べたくなったら華翠苑のランチで、を8年の間ループし続けていたのではないだろうか。他のメニューを注文した記憶が欠けているのだ。麺類と青椒肉絲を黒酢あんかけに出会う前に注文したことがあったかもしれないが、その記憶も曖昧である。

華翠苑の黒酢の酢豚は、もはやワンコインではなく600円のメニューとなって、以前ほどの衝撃はないが、今でも美味いは美味い。今回は特にPayPayで決済して実質的には480円で食べたので、大満足だった。

ところが、である。野菜を食べたいと思い立って、紆余曲折はあったものの、結局のところ、華翠苑で八宝菜を注文するに至ったのだが、これがとても残念だったのだ。黒酢の酢豚は適量だった。味付けも濃く、ご飯も進みがちで、ちょうど食べ飽きる前に食べ切れる量だった。しかし、八宝菜はとにかくたくさん食べたいのだ。野菜を欲しているのだから野菜は当然として魚介類もたくさん食べたいのだ。味も優しく、ヘルシーだから、八宝菜はおかずとして大量に盛り付けられていなければならないのだ。だが、華翠苑の八宝菜はとても満足できる量ではなかった。メニュー写真を見る限り、がっつり食べられそうなのに、実際に提供される量は全く違っていたのだ。盛り付け量が違うというのではない。そもそも皿の大きさがメニュー写真と実際とで違っているのだ。少なすぎる。この落差に地団駄を踏むことになってしまった。

気づいてしまった。華翠苑が素晴らしいのではない。素晴らしいのは華翠苑の黒酢の酢豚だったのだ。華翠苑で八宝菜を注文してはいけない。しかも黒酢の酢豚が600円なのに対して、八宝菜は700円だ。注文してはいけない。絶対だ!華翠苑で注文すべきは黒酢の酢豚である。

店舗

営業時間

11:30から15:00、17:00から26:00まで。年中無休。

住所

新宿区西早稲田2-18-26 東龍ビル

早稲田通り沿い南側で、馬場口交差点から早稲田方向へ徒歩数分。

参考

他のページもどうぞ!

作者:馬場飯