メルシー@早稲田 - 高田馬場B級グルメ

店舗外観

メルシーは1958年に早稲田大学南門付近で創業、1970年に現在の地に移転した。店主は初代が小林日出男氏で、現在は二代目の小林一浩氏だ。初代日出男氏の親戚で大学時代は店に居候をしながらアルバイトをしていた。卒業後に2年間の会社勤めをしたものの、養子入りをしてメルシーを継いだ。

南門付近で営業していた時代は現在も看板に「軽食」と残るように、ドンブリものに定食、クリームソーダと学生の喜びそうなものはひと通り出してみた。名残として今もメニューにコーヒーは残り、ドライカレーやオムライスも常連に根強い人気を誇る。「それでもやっぱり学生に人気があったのは、安いラーメンだったね。昔はマージャン屋が何軒もあったでしょう? 出前の注文がいっぱい来てね…」

メルシーというラーメン屋には似つかわしくない店名はこの頃の名残である。ちなみに、学生の間での噂だが、店名のメルシーは、ラーメンの代金が390円で、サンキューなので、フランス語でメルシーと名付けたという話があるらしい。創業当時、ラーメンの価格は33円だったので、噂はあくまでも噂のようだ。

メルシーのラーメン・もやしそば

もやしそば

麺は中太ストレート麺である。モチモチとしており、食べ応えがある。

スープは煮干出汁だ。そのうえでガラスープを使用しているらしい。醤油ダレが効いており、しょっぱいと感じる人も多い。あっさりしている。「火加減、にぼしの量には毎日気をつけています。たぶん、にぼしは他のお店よりもたくさん使ってる。日によってにぼしは味の出方が違うから、毎日食べて確かめて。出が弱い時は、合わせるガラスープの量を調節して、味が一定になるように気をつけてますね」(二代目店主・一浩さん)メルシーに通い続ける客は、メルシーのラーメンスープの煮干出汁に惹かれているのだと思う。

2010年代は煮干ラーメンが流行した。大量の煮干を使用したスープが特徴だ。メルシーのスープは煮干出汁は当然ながらそれとは違う。醤油ダレの背景として煮干出汁のあるスープである。昭和の醤油ラーメンを令和になった現在も提供している中華料理店を食べ歩けば、どこかの店で似た味のスープに出会えるかもしれない。メルシーのラーメンのスープはあくまでもそういう煮干出汁のスープである。

具は、たっぷりのもやし、ゆで玉子、メンマ、コーン、ネギだ。ラーメンにはチャーシューが入るが、もやしそばはチャーシュではなく代わりにゆで玉子が入る。味玉子ではなくゆで玉子だ。残念である。しかし味噌ラーメンではなく醤油ラーメンにコーンである。何だかそれだけで懐かしい。

メルシーの暗黙の約束事

なお、暗黙の約束があるようだ。

念のため、より正確に訂正しよう。

メルシーの店員さん、お客さん

2017年12月25日の朝日新聞の記事だ。

主人が体調がよくなくて、ほづみは10年前にやめちゃって。わたし生まれも育ちも早稲田で、小さいころからメルシーさんと仲がよかったから。いまはこっちを手伝っているほづみのお母さんが語っている。

現在、メルシーの店員さんはほづみのお母さんである!

また、橋下徹さんは一家で来てくれたことがあるし、堺雅人さんも奥さんの菅野美穂さんを連れて来てくれるよ。タモリさんも年1、2回は来るね。最近だと、お笑いの『かもめんたる』さんが常連さんだったかなと店主の一浩氏が語っている。ちなみに、2019年3月2日のタモリ倶楽部では、メルシーご主人が2年前からサックスを趣味で始められたことがクイズ形式で紹介されていた。

品名価格
ラーメン400円
もやしそば420円
タンメン480円
やさいそば500円
チャーシューメン630円
五目そば660円
ライス170円
半ライス100円
品名価格
チャーハン490円
ドライカレー490円
ポークライス490円
オムライス590円
ビール530円
ビール小ビン330円
コーラ170円
ジュース170円

メルシー チャーハン

メルシーといえば、ラーメンなど麺類が有名だが、繰り返しメルシーに通うのであれば、チャーハンなどご飯物も一度は注文していただきたい。

見た目からしてとても惹かれる。以前、注文したときの画像を掲載すれば一目瞭然なのだが、うん、今度そうしよう。とにかく驚かされる。

画像を探してきた。2017年10月のチャーハンである。玉子が錦糸卵なのだ。錦糸卵が棚引いている。頂上には小さく切られた蒲鉾とサヤエンドウだ。こんな姿をしたチャーハンを見たことがなかった。

そして食べてみると分かる。ご飯物は炒め方が今ひとつなのだ。全体に満遍なく火が入っておらず、局所的に焦げ気味でご飯の塊ができていたりするのだ。一度注文すればそれでもう十分だ。

ところが世間は広い。メルシーのご飯物を大好物とする方が結構いるようだ。絶対に味覚がおかしい。先方も当方の味覚がおかしいと思うに違いないので、これはとても良い話のネタになるに違いない。繰り返しメルシーに通うつもりなのであれば、チャーハンなどご飯物も一度は注文していただきたい。そしてぜひその味に白黒をつけていただきたい。

メルシー ポークライス

続けて2017年12月のポークライスである。チャーハンで納得できずに、期間をそれほど置かず、続けて訪問したようだ。

店舗情報

営業時間

10:30から19:30まで。定休日は日曜日、祝日。

住所

新宿区馬場下町63

早稲田駅の高田馬場駅寄りの改札口から北へ徒歩直ぐ。

参考

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作者:馬場飯