天かめ - 東京立ち食いそば

天かめのかけそば

天かめとは2019年9月現在で江戸川橋、平河町、両国、門前仲町に4店舗を展開している立ち食いそばチェーン店である。株式会社総合スターによる経営だ。

2012年10月に飯田橋で一号店が開店した。もりそば、かけそばの価格が240円である。驚くべきことに2019年9月現在まで240円という価格が維持されてしまっている。小諸そばが290円、富士そばが300円、ゆで太郎が320円である。天かめは圧倒的な安さを誇っている。

2019年9月に天かめでかけそばを食べた。今までそばは冷たくなければ美味しくないと繰り返し言い続けてきた。ヒトって変わるんですね。気候によっては冷たいそばではなく、温かいかけそばを注文するようになりました。かけそばの魅力は、そばではなくつゆにあると気づきました。塩分量に注意をしなければならない身体になってから、出汁が香るつゆを最後の一滴まで飲み尽くす魅力に気づきました。大変残念である。

天かめのかけそばのつゆは鰹出汁だ。店内にもつゆは鰹のだし汁無添加の自慢のつゆと掲示されている。しかし、つゆそれ自体とは別に魚粉が投入される。食べ終わると丼の底に小さな粒々が残る。これが魚粉だ。天かめのかけそばのつゆは、魚粉でブーストされた鰹出汁のつゆである。かえしの塩分はそれほど強くはない。つゆを飲み干す。悪くない。240円だ。美味い。身体の中心から温まる。

今回は江戸川橋店を利用した。気になったのが春菊天ときんぴら天が販売されていなかったことだ。特にきんぴら天は梅もとでも以前提供されていたが、既に販売が終了している。きんぴら天が食べられる立ち食いそばが少なくなるのは何やら淋しいものだ。

天かめは飯田橋、春日、本郷三丁目、大崎広小路と店舗の閉店が相次いでいるようだが、値上げせずにどうか生き残っていただきたい。ひたすら感謝である。

天かめの春菊天そば

2019年10月に天かめで春菊天そばを食べた。360円だ。9月の訪問時に春菊天ときんぴら天が販売中止になっていたので、その後の様子を気にかけていた。残念ながら、きんぴら天は販売を再開していなかったが、春菊天の販売が再開されていた。立ち食いそば屋では滅多に天ぷらを注文しないのだが、久しぶりにかけそばに春菊天をトッピングしてみた。

しかし、肝心の春菊天が好みではなかった。身も蓋もない書き方をすれば、今後、立ち食いそば屋では春菊天を注文しないような気がする。天かめの春菊天が悪いのではなく、そもそも立ち食いそば屋の春菊天はそんなに美味くはないのではと考えてしまっている。

天かめの春菊天を齧ると、しなしなとした食感だった。立ち食いそば屋の天ぷらだ。当然、揚げ置きが前提となる。天ぷらの衣がサクサクとした食感でなくても、それは当たり前なのだ。そんなことは頭では理解できているのだが、それでも残念だった。へなへな、しなしなとした食感の春菊天は食べると、寂しくなってくるのだ。直ぐに方針転換する。そばつゆにドボンと浸すのだ。危ないところだった。仮にもりそばを注文していたら、こうした方向転換はできない。

こうしてそばつゆに浸した春菊天だが、そばつゆに浸して正解だったことには間違いないのだが、それでもそれほど好みではなかった。振り返って考えると、もともと春菊天それ自体がそれほど好きではなかったのかもしれない。春菊は普通におひたしで食べるに越したことはなかったのかもしれない。違う。やっぱり、きっと違う。春菊は好きだし、サクサクとした衣の春菊天もきっと好きなのだ。春菊天は揚げ置きが許せない食材で、揚げたてのみが許容範囲内となるのだ。

ウェブページとして公開はしていないが、新橋おくとねのまいたけ天にも似た感情を抱いた。今回の出来事をきっかけに再び立ち食いそば屋の天ぷらから距離を保つことになりそうだ。

2019年内のことだったと思う。天かめが値上げをした。10円、20円の値上げではない。原則として一律+50円の大幅値上げだ。かけそば240円は290円になった。春菊天そば360円は410円だ。トッピング類の値上げはないので、ベースとなるそばの価格が+50円されたと考えていい。天かめの最大の特徴は、かけそば、もりそばが240円という安さにあった。今回の値上げで、どうにもこうにも天かめの魅力が薄れてしまったことは間違いない。

なお、冷たいそばについては、もりそば・大もりは+50円の値上げだが、ざるそば・大ざるは+60円の値上げ、それ以外(例えば、冷したぬき、冷しかき揚げ等々)は+70円の値上げとなった。

店頭で天かめのあまりの変わりぶりに愕然として、入店することができなかった。そのため、今回の値上げをきっかけに、提供されるメニューそれ自体にも何か大きな変化があったのかもしれないが、その点については確認できていない。ひたすら溜息が出るばかりだ。やむを得なかったのかもしれないとは思うものの、溜息は止まらない。

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作者:馬場飯