小諸そば(ネギ食べ放題,二枚もりの立ち食いそば) - 東京立ち食いそば

小諸そばとは?

小諸そばの店舗外観

小諸そばとは東京都中央区、千代田区、港区を中心に店舗展開した立ち食いそばチェーン店である。株式会社三ツ和による経営だ。

1974年8月に京橋で一号店が開店した。2011年6月時点で81店舗、2012年6月時点では84店舗を展開するに至った。店舗数はゆで太郎富士そばと並んで三強を成す。そのなかでも小諸そばは中央区27店、千代田区23店、港区17店の三区だけで67店舗にもなる集中的な出店が特徴となっている。

小諸そばはとにかく安い。立ち食いそばチェーン三強のうち、かけ・もりが230円と最安価格である。しかも、+30円する度にそばを半人前ずつ増量することができる。二枚もりならば+60円である。激安価格で満腹になるまで、そばを堪能することができる。また、卓上に置かれたネギは取り放題である。気兼ねすることなく、たっぷりのネギを合わせてそばを食べられる。

小諸そばのそばの特徴

小諸そばのそばは、生そばで茹でたてか少量の茹で置き、色は白っぽくて細い。

立ち食いそばチェーン店のなかでも、小諸そばは製麺所(工場)で一度茹で上げられてから店舗に配送される茹でそば(茹でめん)ではなく、生そば(生めん)の茹でたてを店舗で販売する先駆け的存在だったらしい。

「小諸そば」は生麺のゆでたてを出すことで立ち食いそばの世界に革命を起こしたのだ。それまでは立ち食いというとあらかじめゆでた麺を温め直すだけ。このゆでたて生麺の出現で立ち食いそばは飛躍的に旨くなった。

確かに茹でそばではなく生そばだ。店舗では熱湯にくぐらせるだけではなく、しっかりと茹でている。そばが細いので茹で時間は短時間のようだ。ただし食券を受け取ってから茹ではじめるのではなく、混雑状況等を考慮しながらあらかじめ数人分ずつを茹でているので、茹で待ち時間は短縮されるものの、茹で置かれたそばが提供されることもある。しかし、長時間茹で置かれたようなそばを出された経験は今のところない。

冷たいそばを注文した場合には、シコシコとした弾力のあるそばが食べられる。茹ですぎだったり、冷水での洗いが足りなかったり、ときには茹で置かれていたりすることで、本来の食感よりも劣った食感のそばが提供されることはあるが、基本的には悪くないそばである。しかし、そばの食感を楽しめるのは冷たいそばで注文したときに限られる。温かいそばのときにはコシを楽しむことはできず、それなりのしなやかさが残る程度だ。

そばのこだわり
そばの実の中心部を挽いた更科粉(御膳粉)を使用し、蕎麦の風味を豊かに仕上げております。

小諸そばのそば

弾力があって色がかなり薄いそばなので、蕎麦粉に対する小麦粉の比率はかなり高いはずだと思いきや、蕎麦粉五割のそばを自社工場から1日2回、各店舗に配送している*そうだ。東京路傍の麺党の『旨い!立ち食いそば・うどん―東京・駅別大調査』(小学館文庫)を根拠にした記述のようだ。見た目の色がかなり白っぽくて薄いのは、蕎麦粉に対する小麦粉の割合が高いからだけではなくて、使用されている蕎麦粉が更科粉だからでもあるのだろう。余計な合成着色料は使われていないはずだ。食品添加物は少なければ少ないほど安心できる。

しかし現在でも同割そばが提供され続けているのであれば、同割そばであることを積極的に宣伝に利用するはずなので、そうした宣伝を見かけない現在となっては、そば粉の割合はもっと低くなっているのだろう。

立ち食いそば屋のように低価格のそばを提供する店で蕎麦の香りや風味を味わうのはそもそも難しいので、むしろコシのある食感のほうが重視され、それが実現されているのは納得できる方向である。

小諸そばでは、温かいそばはともかく、何はともあれコシを楽しめる冷たいそばがいい。予想外に美味いのだ。立ち食いそばで低価格なのに、こんなそばが食べられるんだという驚きがある。立ち食いそば屋では温かいそばでなく冷たいそばを注文するときに追加料金をとられたり、あらかじめ冷たいそばが高価格に設定されていることが多いが、小諸そばでは温かいそばと冷たいそばで価格差をつくらない。そのため、小諸そばを利用するときは、冷たいそばを注文をすることが多くなるのだが、この冷たいそばこそ小諸そばの真価が発揮されるメニューだといえる。

小諸そばのうどんの特徴

小諸そばのうどんは、断面が正方形の中太うどんで、確かにコシはあるが、その弾力が楽しめるほどではなく、モチモチとした食感よりもプツンと切れ落ちるような食感に近い。そばと比べると、どうしても見劣りしてしまう。しかし、そばと違って注文が少ないため、注文が入ってから茹で始めることが多く、茹で置きされたうどんを出される確率は極めて低い。客入りと厨房に茹で置きされているそばの量から判断して、明らかに長時間茹で置きされたそばを出されそうだったら、そのときはそばではなく、うどんで注文すれば、残念な経験を味わう回数を減らすことができる。

かけうどんの場合、出汁は関西風になる。確かに見た目からして、そばのときの鰹節出汁とは違って透明感がある。ただ味は思いのほか濃いめだ。小諸そばも含めて立ち食いそば屋のかけそばは、もりそばのときと異なり、そば自体が柔らかくなりすぎて不味いことが多い。かけを注文するときは、熱に強いうどんを選ぶことで、ふやけたそばを食べずに済ますことができる。

しかし、うどんはやっぱり小諸そばよりもうどん専門店のほうが美味い。小諸そばに入店したならば、基本的に、注文すべきはうどんではなく、そばであって、しかも温かいそばではなく、冷たいそばだ。例外として、小諸そばでうどんを注文して満足できるメニューとして二枚もりうどんがあるが、あくまでも質より量で満足できるのであって、決してそばよりもうどんが美味いからではない

小諸そばのそば・うどん以外の特徴

つゆのこだわり
かえしは、江戸そば伝統の「本枯れ節」の厚削りを贅沢に使用しております。

小諸そばのつゆは、そばは関東風でうどんは関西風の二種類が使い分けされている。冬になると柚子皮が入る。

そばつゆは、出汁とかえしを混ぜたものである。出汁は、関東風の場合は鰹節が主になる。かえしは、醤油と味醂、砂糖だ。

小諸そばでは、出汁の鰹節で、本枯節の厚めの削り節を贅沢に使用しているとのことらしい。

しかし、出汁の鰹節以外(鯖節、昆布等々)については何も語られず、出汁の鰹節の産地についても何も語られない。

他の立ち食いそば店も、出汁は主に鰹節のはずで、本枯節だろうが厚削りだろうが、何らかの工夫はしているはずなので、もっと突っ込んで言及してもらえないと、あんまり魅力的には感じられない。

それに小諸そばは、かえしの醤油の風味が強いのだが、それについては何も語られない。

出汁が、こっそりとだしの素に置き換わっても、かえしが現状維持ならば、自分も含めて変化に気づける人はほとんどいないんじゃないだろうか。

結局のところ、小諸そばは、そもそもが激安価格すぎるので、品質が素晴らしいはずはないに違いなく、こういう見せ方では語れないことが多すぎるのかもしれない。

あと、かえしに本枯節の厚削りというのは、気になるといえば気になるのだけれども、やっぱり間違いなんじゃないだろうか。せっかくの宣伝文句が台なしになるので、こういう間違いはしないでもらいたい。

卓上にはネギ、七味唐辛子、柚子七味、わさび、小梅がある。店舗によってはそば湯もポットで卓上に置かれている。夏以外は卓上の小口切りの白ネギが盛り放題なのが嬉しい。定番の七味唐辛子以外に柚子七味や小梅があるのも珍しい。

また、季節メニューやセールでリピーターを飽きさせないのも、立ち食いそば大手チェーン店では珍しくはないが、特徴の一つに挙げられるかもしれない。

小諸そばは冷やしたぬきそばが安くて美味い?

小諸そばの冷やしたぬきそば

注文するメニューは冷やしたぬきそばが多いかった。

温かいつゆより冷やしが好みだ。しかも小諸そばでは、温かいそばを注文すると、そばのコシを堪能することができなくなる。やはり冷やしがいい。その冷やしのメニューのなかでも、つゆが多めで最安なのが冷やしたぬきになる。もりやざるではネギをたくさん入れるとつゆが足りなくなってしまう。それが冷やしたぬきを選ぶ理由だった。大量のネギを頬張りたいのだ。

冷やしたぬきは天かすがつゆに油分を補ってそれが美味いというのではない。サクサクとした天かすが大好物というわけでもない。だから冷かけがあれば、きっと冷かけを選ぶに違いない。

そして小諸そばでは、うどんよりもそばのほうがやっぱり圧倒的に美味い。選ぶならば、そばだ。

もりそばと違って二枚もりにすると、そばつゆの量が増えることに気づかなった以前は、最もオススメなメニューが冷やしたぬきそばだった。290円である。

小諸そばでネギだくダイエットとは?

小諸そばのネギだくダイエットが流行(?)らしい。ネギが食べ放題なので、かけそばにネギを大量に入れて食べる。満腹感が得られる。低カロリーなので体重が減る。要するにそういうことらしい。

温かい(そば・うどん)冷たい(そば・うどん)価格
かけもり230円
二枚もり290円
ざる
たぬき冷したぬき
きつね冷しきつね330円
いか天いか天セイロ
かき揚かき揚セイロ350円
冷しおろし360円
ごぼう天ごぼう天セイロ370円
かき揚玉子かき揚セイロ+玉子380円
小諸冷しとろろ410円
鳥から鳥からセイロ430円
カレー南蛮
えび天えび天セイロ460円
ごはんもの価格
ライス100円
天丼410円
カレー丼
親子丼470円
カツ丼490円
セット価格
ミニかき揚丼セット500円
ミニ鳥から丼セット
ミニカレー丼セット
ミニ山かけ丼セット
ミニ親子丼セット580円
ミニカツ丼セット590円
カレー丼セット
天丼セット

そば・うどん・ライスの大盛は+30円

小諸そばのもりそばとざるそばの違いは何か?

もりそばに刻み海苔がのっているのがざるそばだ。それ以外の違いは何もない。ざるそばは刻み海苔だけで+60円されるので割高なメニューだ。

ざるそば以外で海苔がトッピングされるメニューは小諸、冷しとろろ、冷しおろしの三品だ。これらは他のメニューに比べて割高感がやや強い。

小諸そばの店名と同じ名称のメニュー「小諸そば」とは何か?

温かいとろろそばのことである。

小諸そばのかき揚げの具材は何か?

小諸そばのかき揚げの具材は、タマネギ、ニンジン、いかゲソ、干しエビとその他季節の野菜である。

小諸そばの激安サイドメニュー(ライス100円、玉子30円)

小諸そばでは、ライスが100円、玉子が30円だ。安い。

かけそば230円に玉子30円を追加して月見そばといった用途が普通かもしれないが、この安さを活かして、お得な裏メニューを考案できないだろうか。

ミニ玉子かけごはんセット 360円
もり230円、ライス100円、玉子30円のセットメニューだ。合計360円である。
重要なのは、かけではなく、もりで注文することだ。小諸そばの卓上には醤油がない。玉子かけごはんにかける醤油をそばつゆで代用するのである。また、かけで注文すると、玉子はかけそばの丼に入れられてしまうため、熱で玉子が半熟になってしまうが、もりで注文することで、この残念な事故を防止できる。
玉子かけごはんには、お好みで卓上のネギ、七味唐辛子、柚子七味、わさびをトッピングできる。ネギの辛味や歯応えも楽しめる玉子かけごはんは小諸そばならではのメニューだ。また、卓上の小梅がありがたい。おかずにもなるし、口直しにも丁度良い。
ミニかき揚丼セット(裏メニュー) 450円
ミニかき揚丼セットの通常価格は500円である。
かき揚そば(うどん・セイロ)350円、ライス100円のミニかき揚丼セット(裏メニュー)は450円になる。

小諸そばの二色つゆ二枚もり

小諸そばの二色つゆ二枚もり

2012年4月26日に小諸そばで二色つゆ二枚もりそばを食べた。400円だ。

二色つゆ二枚もりは、通常の二枚もりに、ごまだれとすりごまが追加されたメニューである。しかし、ごまだれ、すりごまに+110円の価値はなかった。

調べてみると、昨年5月に二色つゆ二枚もりを食べていた。何となくしか覚えていなかった。それで、今年もうっかりと再び注文してしまったのである。忘れないように、まずは結論をしっかりと書き留めておこう。小諸そばの二色つゆ二枚もりは注文してはいけない。

ごまだれは、味に深みがないものの、それなりにゴマの風味を楽しめるつゆで、普通に美味い。すりごまを追加したときには、ゴマの香りが際立つものの、粉っぽくもなってしまうので、通常のそばつゆをごまだれに追加すると良いかもしれない。味は悪くない。しっかりと美味いのである。しかし癖になるほどの美味さではなく、+110円して食べるほどでもないと感じてしまうのだ。そこそこ美味いから、それが変に記憶に残ってしまっていて、うっかりと注文してしまうのかもしれない。来年は注意しよう。

なお、4月25日から季節限定メニューのミニおろしヒレカツ丼セットの販売が開始されている。530円である。ゆず醤油と大根おろしでさっぱりととのことだ。

小諸そばの和風冷麺

小諸そばの冷麺かき揚げ丼セット大盛り

2011年7月5日に小諸そばで冷麺かき揚げ丼セット大盛りを食べた。590円+30円だ。

冷麺は冷たいそばに細くむしられた蒸し鶏と千切りのかまぼこ、キュウリがのせられ、バンバンジーソースがかけられたものだった。単品だと390円だ。悪くない。バンバンジーソースが良いアクセントになっている。しかし価格も考えると冷したぬきそばで既に十分に満足できてしまっているので、和風冷麺はもう注文しないかもしれない。

なお、麺は韓国冷麺の麺ではない。普通にそばだ。だからこそ和風冷麺なのだろう。

今回、衝撃的だったのがミニかき揚げ丼だ。

かき揚げはニンジン、タマネギ、桜海老、春菊、げそが使用されているらしい。それはいい。ミニ丼からはみ出すほど大きい。それもいい。

問題なのは揚げ過ぎということだ。香ばしすぎる色に揚がっている。サクサクのかき揚げではない。バリバリのかき揚げだ。つゆに浸しながら食べるにしても、注文したのは和風冷麺だ。つゆが少ない。残念すぎる。後悔しながら食べた。

ほとんど小諸そばでかき揚げを食べたことがなかったのだけれども、これはとても残念だった。

小諸そばの揚げ茄子おろしそば

小諸そばの揚げ茄子おろしそば大盛り

2011年8月8日に小諸そばで揚げ茄子おろしそば大盛りを食べた。390円+30円だ。

冷かけそばをベースにして、具は生姜の添えられた揚げ茄子に、オクラ、大根おろし、鰹節だ。そばと生姜の添えられた揚げ茄子を一緒に食べるととても幸せな気持ちになれる。それぞれの具を組み合わせて、そばと食べる。美味い。一品々々に注目してしまうと貧相なのだけれども、少量ずつ組み合わせて食べるととても満足できる。夏にぴったりだ。

しかし残念なことがある。食べ放題のネギの出番がほとんどないのだ。折角、小諸そばに行ったにもかかわらず、ネギを食べないなんて、何だか悔しくなってくる。

冷したぬき290円で満足できたのではないか。二枚もり290円で満足できたのではないか。確かに満足できたはずだ。そう考えてしまうと、この夏、もう一度だけ注文するかしないか程度のメニューかもしれない。

小諸そばの力うどん

小諸そばの力うどん

小諸そばの力うどんである。430円だ。

小諸そばのライバル

小諸そばと富士そばゆで太郎で立ち食いそば三大チェーン店となる。

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作者:馬場飯