亀戸餃子本店(わんこ餃子 餃子は主食。) - 高田馬場B級グルメ

亀戸餃子本店

2016年5月に亀戸餃子本店で餃子を食べた。亀戸餃子本店は亀戸駅前にある。店名に間違いない。亀戸である。ただし支店が両国、錦糸町、大島に展開されている。また、亀戸餃子は南極でも食べられている。南極越冬隊が昭和基地で食べていた。亀戸餃子は想像以上にグローバルな餃子なのであった。

亀戸餃子本店は1955年に石井房次郎氏が創業した。現在の店主の石井清氏は創業者のご子息で学生時代から餃子を焼き続けてきた。ひょっとすると日本一餃子を焼き続けた人なのではないだろうか。

亀戸餃子本店には常に行列があるが、回転は速く、見た目の行列の長さよりも待ち時間は短い。店内には馬蹄形のカウンター席と小上がりのテーブル席があり、小上がり座敷のテーブル席は3名以上だと案内される。この座席の都合で一人の場合は行列の先客を飛ばして先に入店するように案内されることもある。

亀戸餃子本店のメニューは餃子とドリンクだけである。ライスさえない。水餃子も蒸し餃子も揚げ餃子もない。餃子は焼き餃子だけだ。亀戸餃子本店は焼き餃子専門店である。テイクアウトは可能だ。焼き餃子か生の餃子かを注文して、お持ち帰りできる。テイクアウトの場合は行列に並ぶことなく注文可能だ。

餃子は1皿5個250円だが、最低2皿10個500円からの注文となる(2018年10月1日から1皿270円に値上げされた)。ドリンクの注文は必須ではない。ドリンクを注文しない場合は水が出される。ドリンクはビール(アサヒスーパードライ)大瓶が600円、小瓶が350円で、他にも老酒(15度)150円、デンキブラン(30度)200円などがある。今回はデンキブランを注文した。学生時代にデンキブラン発祥の神谷バーでデンキブラン初体験は済ませており、それ以降、機会が訪れる度に飲み続けている。躊躇することなしに注文できる。

着席すると直ぐに小皿が出される。小皿には練り辛子が添えられている。続けて1皿目の餃子が提供される。作り置きではない。餃子は常に作り続けられているので、出来たての餃子が提供される。餃子以外に注文できるメニューがない。言葉を発さず無言でいても、自動的に餃子が提供されるのだ。

卓上調味料は、醤油、酢、辣油だ。辣油は自家製である。胡椒がないため、酢胡椒で食べることはできない。

餃子は小振りだ。皮はとても薄く、カリッとなるまで焼かれている餡の具材はキャベツとニラ、豚挽肉で、ニンニクも入る。野菜は全て100%国産を使用しているらしい。餡はそこそこ詰まっていてジューシーだが、キャベツのシャキシャキした食感がある。何もつけずに食べると、味つけは控えめだ。醤油を小皿に注ぎ、少しだけ浸してから食べる。美味い。醤油と練り辛子、醤油と辣油、醤油と練り辛子と辣油など、組合せを変えながら食べる。美味い。調味料の使用が前提の味つけだ。

餃子は最低2皿10個からとなるため、続けて2皿目の餃子も提供される。1皿目を食べ終えていなくても、餃子の数が残り2個になると、2皿目が提供されるらしい。残っている餃子は皿ごとひっくり返されて、新しい餃子の皿に移される。こんな接客は亀戸餃子だけだろう。周囲で怒っている客はいない。この接客態度も含めて、亀戸餃子の雰囲気を楽しんでいるのだろう。2皿目からは酢も加えて、味の変化を楽しむ。

2皿目の餃子を食べ進めて、残りが2個になると、餃子を追加するか店員に尋ねられる。ランチを食べたかったのではなく、亀戸餃子を体験したかっただけなので、2皿だけで切り上げた。餃子2皿10個500円に、デンキブラン200円で、700円だ。高くはないが、そこそこにはなった。なお、3皿目を追加注文すると、モヤシとニラの炒めものが小皿でサービスされるらしい。知らなかった。

ちなみに、食べ終わった皿は積み上げられていく。店員の数が非常に多く、背後から見張られていて、皿が空になりそうになると、お代わりの確認が入る。椀子そばを連想される方が多いようだ。ウェブ上で亀戸餃子はわんこ餃子と呼ばれることもある。

2018年8月18日に御徒町駅の高架下で「わんこ餃子 餃子は主食。」がオープンした。餃子1皿5個250円(税抜)で、最低2皿500円(税抜)からの注文となる。餃子は小振りで、皮がとても薄く、カリッとなるまで焼かれているらしい。店頭には「ご飯のご用意はありません」との注意書きがある。メニューは焼き餃子とドリンクだけだ。亀戸餃子を知る全員がツッコミを入れたに違いない。亀戸餃子か!……2019年10月現在、既に「わんこ餃子 餃子は主食。」は閉店している。どういう訳だか、何だかそれでちょっぴり安心してしまっている。焼き餃子は原則として主食にはなりえない。例外は唯一ホワイト餃子だけである。宜しければ続けてどうぞ。

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作者:馬場飯