餃子の店 おけ以 - 高田馬場B級グルメ

餃子の店 おけ以

2018年1月に餃子の店 おけ以(おけい)で餃子を食べた

餃子の店 おけ以は1954年に神保町の岩波書店の裏手で創業した。日本の焼き餃子発祥の店である。1989年に神保町から飯田橋に店舗を移転した。現住所は千代田区富士見2-12-16だ。飯田橋駅から徒歩3分で、飯田橋サクラテラスの脇道にある。ミシュランガイド2018、2019で続けてビブグルマンを獲得した。

店頭には常に行列があり、数十分以上の待ち時間はあらかじめ覚悟しておいたほうがいい。ランチでもディナーでも同様だ。

店内にはカウンター席とテーブル席があるが、深緑色に驚かされる。カウンターもテーブルも天板が深緑色なのである。中華料理屋といえば赤である。だから、その落差に驚かされ、深緑色が特に印象に残る。また、カウンター席と厨房はズラリと並べられた観葉植物によって隔てられている。おけ以はテーマカラーがグリーンなのである。入店直後から普通の中華料理屋ではないと身構えさせられる。

おけ以の餃子は1皿6個600円である。1個100円だ。高い。通常はこの価格帯の店には近寄らない。しかし、おけ以は残念ながら日本の焼き餃子発祥の店なのだった。なになに発祥の店というのが好物なのだ。とにかくおけ以には一度だけでも訪問して、とにかくおけ以の餃子を一度だけでもいいから食べてみたいのだった。それで誰かに語りたいのだ。おけ以の餃子は高いだけでそれほど美味くはなかったと感想を漏らしたいのだ。

おけ以の名物は餃子だけではない。湯麺もおけ以の名物とされている。湯麺は680円だ。標準的な価格だ。もう再訪しなくて済むように、湯麺と餃子を注文しようか、かなり悩んだのだが、餃子にはライスを合わせて食べたい。ライスの魅力に負けた。今回は餃子600円とライス180円を注文した。

卓上調味料は醤油、酢、辣油、胡椒だ。最低限のセットが揃っているので、これで不自由することはない。

最初にライスとスープが出された。ライスにやられた。茶碗に盛られているものだとばかり思い込んでいた。まさかの平皿だ。おけ以は洋食屋ではない。中華料理屋だ。さすがにナイフとフォークはなかったが、かなり驚かされた。スープはありがたい。ライスにつくのだろう。

餃子の店 おけ以の餃子

続けて餃子の到着だ。羽根つき餃子だった。おけ以は日本の焼き餃子発祥の店だ。日本の焼き餃子は羽根つき餃子が起源だったのか!

餃子の底全体にしっかりと焼き目がつけられている。餃子は標準的な大きさだ。皮はやや厚めで、焼き目のついた底全体はカリッと、それ以外はもっちりした食感が味わえる。餡の具材は白菜とニラ、豚挽肉で、ニンニクは入らない餡はそこそこ詰まっていてジューシーだが、白菜のサクサクした食感が残っている餡の味つけはしっかりされており、調味料をつけなくても、そのまま食べられる。

おけ以の餃子の皮は強力粉で作られている。やや厚みのある皮のもっちりした食感は薄力粉ではなく強力粉の使用に由来する。通常、焼き餃子の皮は強力粉と薄力粉を1:1で使う。おけ以の餃子の皮はもっちりした食感を出すためにあえて強力粉で作られているのだ。強力粉にはごま油を加えて、水ではなく熱湯で練る。通常、焼き餃子の皮を強力粉で作ると、皮が固くて食べられない餃子になる。おけ以の餃子の皮の場合にはごま油も熱湯も必須となる。

おけ以の餃子の餡は豚バラ肉の粗挽き肉が使われている。挽肉はごま油とすりおろし生姜と練って一晩寝かされる。翌日、白菜とニラが練り込まれ、再び寝かされる。その後、皮で包んだ後も、冷凍庫に2時間置いて水分が飛ばされている。豚バラ肉と白菜が餃子をジューシーにしている。豚バラ肉の肉汁と脂、白菜の甘みを帯びた水分が、蒸し焼きにされた餃子の中に閉じ込められる。餃子を噛んだ瞬間に溢れるエキスだ。キャベツではなく白菜である点もいい。白菜はキャベツよりも歯触りの食感が残る。餡の食感を楽しめる。想像以上にキャベツではなく白菜を採用している店舗は少ない。

おけ以の餃子は、鉄鍋の沸騰した熱湯で蒸し焼きにされた後、白絞油(天ぷら油)で底面全体を焼き上げられる。この瞬間、蒸し焼き時に溶け出した強力粉が自然と餃子の羽根になる。おけ以の餃子の羽根は意識的につけられたものではなく、おそらく調理の過程で自然とついた羽根なのだろう。

おけ以の餃子はとても美味い。感想を控え目に述べてしまった。生涯で食べた焼き餃子のなかで、おけ以の餃子が最も美味かった。感極まる。本当はひたすら美味いを連発したいのだが、あえてそこを抑えながら、おけ以の餃子の素晴らしさを伝えられないかと思って、意識的に美味い発言は極力最小限にしてみた。美味いの連発には際限がなくなってしまうからだ。

しかし結果として幾つかの問題点が残ってしまった。一点目はおけ以の餃子の価格である。1皿6個600円、1個100円である。高い。だが、これは許容範囲内である。自分が焼き餃子に何を求めているのか、おけ以の餃子と出会って、こうして文章化することで、それが明確になってきた。おけ以の餃子よりも美味いのに、おけ以の餃子よりも安い焼き餃子を探し続けよう。見つかるまでは仕方がない。二点目はおけ以の立地と営業時間である。飯田橋は頻繁に行く街ではない。日曜日と祝日が定休日で、土曜日のランチも11時30分から13時50分(L.O.)と短い。とても利用し難い。三点目はおけ以の行列である。行列がとにかく嫌いなのである。行列のある店は可能な限り利用したくない。二点目と三点目が致命的だ。まだ、おけ以に再訪できていないし、今後、再訪するとしても数年後となる可能性が高そうである。

餃子の店おけ以酒田工場の通信販売

2019年7月1日から山形県酒田市にある餃子の店おけ以の酒田工場で冷凍餃子の通信販売が開始された。

餃子10個で756円(税込)である。やっぱり高い。

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作者:馬場飯