日高屋のとんこつラーメンは豚骨ラーメンではない - 高田馬場B級グルメ

日高屋 とんこつラーメン

日高屋もう二度と注文してはいけないと自らに掟を課したメニューがある。その一つが、とんこつラーメンだった。業務用の豚骨スープが気に入らなかったのだ。

2020年2月にau PAYが税込200円ごとに40ポイント(40円相当)が還元されるキャンペーンを開催していた。日高屋の中華そばは390円だ。実質350円で注文できる。だが、非常に惜しい。400円だったら実質320円で注文できてしまうのだ。日高屋の中華そばの次に安価なメニューを探してみる。

とんこつラーメンだった。450円だ。税込400円以上なので80円相当のポイントが付与される。実質370円で注文できる。中華そば350円ととんこつラーメン370円を天秤にかけて、今回はとんこつラーメンを注文してみることにした。注文時にモリモリサービス券を渡して「麺大盛りで」と伝える。麺大盛りが無料になるクーポン券だ。

とんこつラーメンの麺大盛りが370円になった。たとえ業務用の豚骨スープでも文句が出ない価格帯だ。日高屋のとんこつラーメンは通常価格の450円が問題なのだ。中華そばを390円で食べられるのに、なぜとんこつラーメンを450円で注文しなければならないのか。しかも博多天神や博多風龍の価格帯にも近づく。日高屋のとんこつラーメンを450円で注文するくらならば、博多天神や博多風龍に行きたいところだ。

翻って考えるに、日高屋のとんこつラーメンが気に入らなかったのは、業務用の豚骨スープが理由ではなかった。450円という価格が他のメニューや他の店と比較して、割高に感じられるから、日高屋のとんこつラーメンが気に入らなかったのだ。日高屋でとんこつラーメンの麺大盛りが370円で注文できるならば、何ら文句はない。

日高屋 とんこつラーメン接写

さて、肝心のとんこつラーメンだが、今回が日高屋で最後に食べるとんこつラーメンになるはずだという想いから、味わって食べ進めた。

麺は加水率の高い中太縮れ麺だ。中華そばと同じ麺だ。タンメンなどで使われている平打ちのストレート麺ではない。一般的な豚骨ラーメンでは、スープの持ち上げがいい加水率の低い麺が使われていることが多いが、コストダウンの一環で中華そばの麺を兼用しているのだろう。やむを得まい。

具はチャーシュー2枚、メンマ数本、海苔に、小口切りされた長ネギだった。具材の全てが中華そばと同じである。キクラゲなどは入っていない。辛子高菜も紅生姜も白ごまも用意されていない。やむを得まい。普通の豚骨ラーメン屋ではないのだ。ここは日高屋だ。コストダウンを図っているのだ。通常価格の450円だったら、もう少し何とかならないかという想いが湧いてくるのかもしれないが、370円だ。全てが許される。

スープは二層に分かれていた。カップラーメンを思い出す。粉スープと後入れ油だ。スープ本体に脂が浮いている。飲んでみる。しっかりと美味い。全く悪くない。業務用だろうが何だろうが問題ない。全然悪くないのだ。臭みは全くなく、しつこさがない。癖になる味ではないが、普通に美味い。あっさりとしているものの、しっかりと豚骨感がある。飲みやすい豚骨スープとして完成されている。

少し気になったので、カロリーを調べてみたのだが、中華そば688kcalに対して、とんこつラーメンは711kcalだった。20kcalちょっとしか差がなかった。麺を大盛りにすれば、各々プラス200kcalとなる。とんこつラーメンのカロリーが低いというよりも、中華そばのカロリーが想像以上に高かった。日高屋の中華そばのスープは豚骨スープなみのカロリーがあるようだ。思わぬ発見だった。

麺を啜る。替玉前提の細麺ではない。当然違和感はある。だが、違和感は最初だけだ。プルンとした舌触りの縮れ麺は、パツンと歯応えもよく、普通に美味い。やはり全然問題ない。一般的な豚骨ラーメンだと思うからいけないのだ。豚骨ラーメンのような別の何かが提供されているのだ。それはそれとして受け入れて食べさえすれば、味は全く問題ないのだ。普通に美味いのだ。

具材と一緒に麺を食べ進めていくと、最後は麺だけが残る。辛子高菜や紅生姜が小皿で追加されていたら、味変して食べられるのだが、無い物ねだりだ。やむを得まい。価格の安さが全てを正当化してくれる。

日高屋でとんこつラーメンを何年ぶりかで食べたのだが、とても満足できた。通常価格の450円では、やはりもう二度と注文しないかもしれないが、とても貴重な良い体験ができた。ひとえにこれはau PAYのおかげである。感謝したい。

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作者:馬場飯