天丼てんや - 東京天丼
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天丼てんやとは株式会社テンコーポレーションの経営する天丼チェーン店である。
テンコーポレーションは岩下善夫氏が1989年4月に創業し、1989年9月には東京駅地下の八重洲地下街でてんや1号店(八重洲店)を開店した。
岩下善夫氏は、藤田田氏が1971年に日本マクドナルドを創業したときの最初の社員の一人で、1975年には日本マクドナルドを退職してサンドイッチハウスを創業したが、1979年には閉業させる羽目になった。その後、水炊き玄海や天ぷら新宿つな八で修行して、1989年のテンコーポレーション創業に至った。
てんやの最大の強みはフライヤーにあった。コンピューターで油の微妙な温度調整を制御できるコンベアフライヤーを愛技産業に開発させた。このフライヤーによって天ぷら職人が不要となり、天丼を480円という価格で販売することが可能となった。
テンコーポレーションの創業時資本金は1億円、丸紅75%・日清製油20%・岩下氏5%の出資比率で丸紅グループだったが、2006年6月にロイヤルホールディングスに連結子会社化された。
2018年1月11日に天丼500円を540円に値上げした。値上げは失敗だった。客単価は上昇したが、客数の減少がその効果を打ち消し、2019年末になっても既存店売上高の減少が止まらない。てんやの業績は2016年前半でピークを迎え、それ以降は下降し続けている。
天丼てんやのコンベア式オートフライヤー
てんやの最大の強みはフライヤーにあった。コンピューターで油の微妙な温度調整を制御できるコンベアフライヤーを愛技産業に開発させた。1時間に1,300個の天ぷらを揚げられる。このフライヤーによって天ぷら職人が不要となった。店舗数増加に伴う天ぷら職人の求人が不要となったため、天ぷら屋のチェーン展開が可能となり、熟練した天ぷら職人の代わりに低賃金のアルバイト雇用によって人件費が削減できるため、天丼を480円という価格で販売することが可能となった。その後、コンベアフライヤーは日本マクドナルドの厨房機器メーカーの中西製作所にも発注するに至る。
店員が海老に衣をうけてステンレス製のコンベアに置く。海老は90秒間180℃の油で揚げられ、自動的に海老の天ぷらが完成する。90秒間180℃という時間と温度は、約10cmの海老が最も美味く揚げられる時間と温度だ。他の食材は全てこの90秒間180℃という時間と温度に合わせて、大きさや厚みが決められている。かぼちゃなどは適切な厚みに均等にスライスするための専用機器までがある。ただし大きな天ぷらを揚げるときだけは、時間と温度の調整ができないため、工夫が必要になる。大型の海老は、いったん油に沈めて、浮いてきてからコンベアに流す。かき揚げは、型にかき揚げのタネを入れて、90秒間かき揚げの形を整えてからコンベアに流す。
てんやのコンベア式オートフライヤーについては1994年の総合フードビジネスマガジンの記事が詳しい。
天丼てんやのマスコットキャラクター
天丼てんやのマスコットキャラクターは、てんやおじさんだったが、現在はてん娘(こ)ちゃんにその座を譲り渡した。
てんやおじさんのモデルはてんや創業者の岩下善夫氏だ。金のてんやおじさんという銅像も制作され、各地の店舗に引き渡されながら展示されている。
SKE48野口由芽
飲食チェーン店をググるとアイドルの名前がヒットすることがある。初体験は、日高屋のチゲ味噌ラーメンになりたい(!?)齊藤京子だった。日向坂46(旧けやき坂46)に所属するアイドルらしい。
てんやにもアイドルがいた。SKE48の野口由芽だ。野口由芽のファンは「どりー民」と呼ばれる。どりー民はてんやの順番待ち名簿に「野口」と記載するそうで、握手会周辺のてんやにどりー民が集中すると、「2名様でお待ちの野口さまぁ」「続いて1名様でお待ちの野口さまぁ」と野口が連呼された。野口由芽は2017年2月末にSKE48を卒業した。
てんやの既存店売上高は2016年をピークに2020年になった今も下降し続けている。野口由芽はてんやの成長と共に歩み、野口由芽が卒業すると、てんやは失墜していった。現在、てんやにアイドルはいない。てんやにとって野口由芽の存在感は実は非常に大きかったようだ。野口由芽の二番煎じにならないてんやのアイドルが出現したとき、てんやの下降トレンドは収束を迎えるのかもしれない。
天丼てんや以外の天丼チェーン店
従来までは天丼チェーン店といえば天丼てんやだった。他のチェーン店の名前を挙げることさえできなかった。2019年7月現在、自分の生活圏外で、新興の天丼チェーン店が進撃を開始しているようだ。さん天、ヽ松、まん天丼などだ。てんやの天丼が540円であるところ、より低価格の天丼の販売を展開している。
さん天はSRSグループの天丼チェーン店だ。SRSグループは和食さとを展開しており、和食さとに次ぐブランドが、天丼・天ぷら本舗さん天になる。2019年12月時点で関西を中心に43店舗を展開している。関西以外では、埼玉県8店舗、愛知県3店舗、徳島県1店舗の合計12店舗となる。さん天には東京都に新店舗を開店していただきたい。とても楽しみである。
ヽ松(てんまつ)は2016年10月24日に東京都立川市で1号店(立川北口店)を開店した天丼チェーン店で松屋フーズが経営する。2017年9月30日に2号店(伊勢佐木町店)を開店させるが、2019年4月7日に1号店(立川北口店)が閉店となったため、現在は伊勢佐木町店の1店舗だけの展開となっている。松屋フーズは2019年11月13日に東京都清瀬市でヽ松とは違った新店舗を開店させた。天丼・天ぷら定食などではなく、そばを屋号に掲げる松そば1号店(清瀬店)だ。松のやを併設しており、フライヤーを取り扱う上で、最も合理的で効率的な店舗オペレーションが実験的に検証されていると予想される。
まん天丼は2019年7月15日に板橋本町店が閉店し、2019年9月16日にアリオ西新井店が閉店となった。まん天丼はセブン&アイ・フードシステムズの経営だったが、アリオ西新井店の閉店でまん天丼全店を閉店するに至った。
作者:馬場飯