天丼てんやが牛丼チェーン店に勝利する日 - 東京天丼

天丼を食べなくても生きていける。

天丼てんやは天丼チェーン店では圧倒的なシェアを占めている。もし天ぷらを食べたくなったらやっぱり最初に思いつくのは天丼てんやではある。それでも日常的に生活していてどうしても天丼を食べたくなるって言うときはなかなかない。やっぱり人は天ぷらを食べないでも生きていけてしまう。

てんやの日は素晴らしい施策だった。普段生活していて天丼を食べたくなるって言うときはないが、てんやの日をきっかけに天丼を食べてみようかと思うことはある。天丼への欲求をむりやり喚起させられるのだ。せっかく今日はてんやの日なのだから、39天丼(サンキュー天丼)を食べてみようかといった具合である。そして、帰り際には100円割引券を渡される。割引券はてんやの日では使えないので、次のてんやの日まで、どこかのタイミングで使うことになる。てんやの日をきっかけにして、月2回、天丼てんやに通うことになる。てんやの日が一回目で、100円割引券を使う日が二回目だ。

しかし、てんやの日に天丼てんやを訪問できなかった月は、もう天丼てんやを訪問する気がなくなってしまう。次のてんやの日まで天丼てんやとはご縁のない生活を続けることになる。6ヶ月間に1回、てんやの日を利用できた場合、年4回ほどてんやを利用することになる。ちょうどいい頻度だ。この距離感で長年天丼てんやにお世話になり続けてきたような気がする。もしかすると実際にはもっと少し訪問回数は少なかったかもしれない。年2-4回程度だったろうか。

そんななか、てんやの日の魅力が薄まってしまった。39天丼(サンキュー天丼)が販売されなくなってしまったのだ。代わりに上天丼500円が販売されている。魅力が薄まったというのは正確ではなかった。全く魅力がなくなってしまったのだ。現在に至るまで、てんやの日に天丼てんやを訪問して、上天丼500円を注文したことがない。

以上が現状である。この惨憺たる状況下で、なぜか天丼てんやに夢中になっている。なんとかして天丼てんやを攻略できないものか。

価格とカロリーが問題だ。天丼てんやよりも牛丼チェーン店の方が価格帯が安い。天丼てんやでは単品ご飯にお好み天ぷらをトッピングしてお好み天丼を注文できるが、そこまで工夫しても牛丼チェーン店よりもコスパが良くなるとは言えない。天丼がワンコイン500円だった時代でも価格差があったのに、天丼てんやは2018年1月11日に天丼を540円に値上げしてしまった。8%もの値上げだ。価格で勝負にならない。そして、カロリーが問題だ。牛丼チェーン店では毎日食事ができるが、天丼てんやでは毎日食事はできない。毎日天ぷらを食べ続けることに対して健康的に抵抗感が生まれてしまうのだ。天ぷらとか天丼とかはやっぱりカロリーが気になってしまうのだ。

また、販売の時間帯でも天丼てんやは牛丼チェーン店に及ばない。牛丼チェーン店では朝定食があるし昼も食べられるし夜も食べられる。牛丼チェーン店は吉野家松屋すき屋とあるが、吉野家は松屋とすき屋に比べて価格帯が高くなっている。朝食メニューでもそれが顕著に現れている。松屋ならばソーセージエッグ定食選べる小鉢の玉子かけごはんが素晴らしい。すき家ならばまぜのっけごはん朝食さば朝食が素晴らしい。吉野家にはこういった松屋とすき家のようなキラーメニューがない。天丼てんやならばなおさらだ。得意とする天ぷらは朝食にはむかない。天丼てんやにも一部店舗では朝定食があるがあくまでも一店舗だけである。天丼てんやはランチとディナーで勝負するほかない。

それと、天丼てんやの客層だが若い男性が少ない。客層は老齢の男女が意外にも多い。若い女性についても牛丼チェーン店よりは多い。天丼てんやはご飯の量が少ない。かといってご飯を大盛りや特盛りにしたり、天丼を天ぷら定食に変更しようとすると割高になってしまう。若い男性の場合は、天丼てんやよりも牛丼チェーン店の方が使い勝手がいいのだと思う。天丼てんやが鶏肉を始めとした各種肉類の天ぷらの丼を提供し始めるようになったのは若い男性へのアピールらしいが、成功しているようには見受けられない。大飯食らいの男性は、天丼てんやからターゲット層とみなされているにもかかわらず、価格と量のバランスのとれたメニューが提供されないでい続けている。

八方塞がりだ。天丼を食べたくなったら、てんやではなくいわもとQに行けばいい。小天丼300円に、ランチタイムのライス大盛り無料を利用すれば、このうえなく満足できる。そんなことは分かっているのだ。さん天が390円天丼を武器に埼玉県に基盤を据えて、東京都までもう一歩と迫ってきているが、いわもとQの小天丼が販売され続ける限り、さん天も太刀打ちできないはずだ。それほど、いわもとQの小天丼はずば抜けて素晴らしいのだ。そして、それはとっくに分かっているのだ。

そういうことではなくなってしまっているのだ。天丼てんやを何とかしたいのだ。もはやゲーム感覚である。屈強なラスボスとして天丼てんやがいて、それを何とか攻略したいのだ。ところが、もはや積極的には打つ手がない。非常に口惜しい。唯一の希望の光が天ぷら飯だ。牛丼チェーン店の販売する定食メニューの単価が上がるなか、天丼てんやの天ぷら飯は540円だ。天丼てんやの天ぷら飯ならば牛丼チェーン店の定食メニューを駆逐できる可能性が高い。天ぷら飯が郊外型店舗に限定せず、全店舗まで拡大されたとき、新たに天丼てんやの進撃が再開されることになるはずだ。消極的な結論になるが、天丼てんやの正しい攻略法とは、持久戦を覚悟して、天ぷら飯の全店舗拡大をじっと待つことであるに違いない。天ぷら飯にこそ天丼てんやの未来がかかっている。

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作者:馬場飯